変身
変身
角川書店
2007年6月
223ページ
¥350(税込)
「ある朝、グレゴール・ザムザが不安な夢からふと覚めてみると、
ベットの中で自分の姿が、一匹の、とてつもなく大きな毒虫に変わってしまっているのに気が付いた」
との、衝撃的な文章で始まります
全編が暗いです
はっきり言って救いようがありません(苦笑)
人生の謎解きと言うか、人生の不条理
家族の為に一生懸命に働いてきた、主人公である「グレゴール・ザムザ」が
心は人間であったグレゴールのままなのに・・・
姿形が変わるとここまで、家族まで心変わりするのか!?
信頼し愛する家族から、腐ったリンゴを投げつけられる描写は
まるで映画のワンシーンが鮮明に呼び起される程の驚きです
私が、一番最初に読んだのは10代のころ
宿題である読書感想文の推薦図書に、この作品が載っていました
何にも考えず
「変身」
って題名だけにつられて決めた感じでした(笑)
読んだ後は
何でこんな暗い作品が、ダークな作品が推薦文学なのだ~??
って思った記憶があります
でも、今、改めて読んでみると推薦図書にされるのが納得します
私も年齢を重ね、社会人になって色んな人と接した時に感じること
今だからこそ、分かるような気がします
この作品から読み取れるもの
作者が伝えたかったもの
人間の本質
ある意味、ものすごい本質を表現している作品だと思います。